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 10/08 「入院2日目 意識を取り戻した後の恥ずかしい出来事」の巻 

いよいよ手術当日である。
昨日の麻酔科医の説明によって、昨夜は安心して眠ることが出来た。
この日は朝食が出ないので、朝からベッドに横になったままテレビを見ていた。 あー、お腹空いた。
10時過ぎると、診察に呼ばれた。 入院中、耳鼻科にかかっている患者は、毎日10時過ぎる頃から診察があり、 名前を呼ばれたらナースステーションの横にある処置室へ行き、 診察を受けることになっている。
診察へ行くと、触診があり、体調の確認と点滴のハリを入れられた。 これから今日の日は1日、点滴をするからだ。 手術の時間はだいたい午後2時半頃になるが、 私の前に手術を受ける者が1人いて、その人の手術時間によってまた違ってくるそうである。
病室に戻ると、水分が摂りたくて仕方がなくなってきた。 院内、暖房が入っているのでそのせいもあるであろう。
早く、点滴してよ〜、
と思っていると、その叫びが通じたのか、点滴を持って看護師がやってきた。
見ると、点滴の量が多いではないか。 私が聞く前に、
「この点滴をしたまま手術室に行きますからね」
と看護師が言った。 なるほど、納得した。 点滴をする際、看護師が、必ず患者名を言い本人であることを確認し、 点滴の薬の説明をする。 患者にとっては安心できる。
その後、点滴を受けながら、テレビを観たり、読書をしたり、トイレへ行ったりしているうちに、 1時過ぎに看護師がやって来た。 手術に備えて睡眠薬と胃薬の服用である。 服用し、間もなく夫がやって来た。
夫と雑談をしていると、看護師が手術着を持ってやって来た。
「点滴をしたまま、これに着替えましょうね」
えっ!? 点滴をしたまま着替える? どうやって?
疑問を抱いたまま着替えを始める。 手術着は割ぽう着の要領で着用。後ろがすっぽり開いていて、スースーした。 下のほうは、手術室に行くまではパンツとズボンははいていていいとのことだった。 看護師に手伝ってもらって、点滴をしたままの着替えを難なくすることができた。
着替えると間もなく、ストレッチャーを押して看護師が来た。 ズボンとパンツを取り、慣れない手術着を着崩れないよう、点滴にも気をつけながらストレッチャーに移った。
夫も一緒に手術室の前まで来た。
「じゃあ、頑張って」
「じゃあね」
私は手術室に入っていった。
手術室に入るとすぐに待ち受けていたのは麻酔科医と手術の際の手伝いの看護師2名である。 引渡し際に、
「氏名・生年月日を言ってください」
と看護師に言われ、その旨告げると、ネームバンドの確認もされた。 このくらいの徹底であると患者は安心である。 麻酔科医に引き渡されると、
「ホミさん、昨日お話した麻酔科医の○○ですよ。ホミさんは丙午? 私も丙午ですよー」
と言った。 他の2名の助手らしき看護師も、慌しく各自の自己紹介をしたので、 こちらも、よろしくお願いしますと言った。
手術室に入ると音楽が流れていた。
手術台に移るとすぐにマスクを口にあてられ、
はい、ホミさん、(薬を)吸ってくださいね
と言われた。 私はとっさの事に、
「鼻から? 口から?」と聞いた。 そんなことを聞く患者は私の他にはいまい。
「どちらでもいいですよ」
の言葉を聞き、2〜3回、吸うと間もなく意識がなくなった。
 
看護師の「ホミさん、ホミさん」の声で目覚め、 気が付いたら病室のベッドの上である。 私が気づくと、
「ホミさん、今、ご主人を呼んできますからね」
と看護師が言い、夫を呼びに行った。 間もなく夫がやってきた。
「手術は成功したよ」等、夫が色々言ったと思うが、 まだモウロウとしており、当時のことを憶えていない。 こちらも、話をしようと思っても、口を動かすたび痛みがあるので うまく話せないのだ。
ベッドの上の私は、まず点滴をしており、尿の管が入っており、 患部はガーゼの上にテープ等で固定され、首が動かせないような状態であった。
患部に管が入っているため、看護師は、私が寝ている間に誤って管を抜きはしないかと心配していた。 ここでいう管とは、手術した際に出血した血を外に出すための管である。 感染症などを防ぐためだそうである。
看護師は何度も様子を見にきてくれたらしい。
「ホミさん、痛くなったら言ってくださいね」
と言われ、間もなく我慢できない痛みが生じた。 後から夫に聞いたのだが、
「歯が痛い」と言ったらしい。←憶えていない。
ちょうど看護師がきたので、付き添っていた夫が私に代わって、
「何か、痛いみたいなんですけど。 歯も痛いみたいです」
と、訳のわからない私の発言をそのまま伝えた。 看護師は
「痛み止めは座薬なのよ。今持ってくるね」
と言い残し、座薬を取りに行った。
看護師が座薬を取りに行っている間、 今度はトイレに行きたくなった。 もちろん、尿に管は通っているので普通はおしっこをしたいという気は起こらないはずである。
「ちゃんと、尿が出てるよ」
尿の袋を見て夫は言った。 それでも私が何度も、トイレに行きたい、トイレに行きたいと言うので、 座薬を取りに行き戻ってきた看護師に、
「何か、トイレに行きたいって言ってますけど」
と夫が言った。 次いで、私が
「思いっきりおしっこしたい」
など、訳のわからない言葉を発した。
「ホミさん、しばらくは動けないからおトイレに行くのは我慢してね。今はちゃんと管が入っているから、 おしっこ大丈夫だからね」
と看護師が言った。
まったく、子供じゃあるまいし、周囲の者をてこずらせ、今思うと恥ずかしい限りである。 自分でも、何故あんなことを言ったのか、不思議なのだ。 それに、ところどころウル憶えである。
そのうち、主治医がやってきて、 「だいじょうぶですからね」みたいなこと(憶えていない)を言い去っていった。
面会時間終了の時間がきたので、夫は自宅に戻った。
その夜は、看護師が何度も管の状態を確認しに、私の様子を見にきてくれたらしかった。



 10/08 「私の意識がない間の出来事」の巻 

これから記すことは、すべて夫から聞いた事である。
夫は、私を手術室まで見送ると、その足でデイルームへ向かい、手術が終わるまで そこで待っていた(デイルームで待っていなければならないそうだ)。
時間は忘れたが(5時くらい?)、
「先生からお話がありますので来て下さい」
と、看護師が呼びに来たので、手術室前へ向かった。
「無事に腫瘍摘出しました。リンパに腫れが診られなかったのでリンパの方は大丈夫でしょう。 顔面神経の方も無事でした。 覚醒後、
『ホミさん、顔を動かしてください』
と言ったら、本人顔を動かしていたので大丈夫でしょう」
そして、摘出した腫瘍を夫に見せてくれた。
「思ったより大きかったです。これからこれを組織検査に出して、 また詳しく検査します」
医師は言った。
腫瘍は7cm程あったそうだ。 内臓ならともかく、首に7センチもの腫瘍があったなんて、夫は驚いたそうだ。
それから間もなく、 看護師に呼ばれ病室へ。
「今眠っていますが、声をかけると目が覚めますからね」
と看護師が言い、私のことを呼んだそうだ。
それ以降の話は↑で記した通り。
付け加えるならば、「歯が痛い」と言ったことなども後から夫から聞いた話。
医師が様子を見に来た際、私が覚えていないだけで、実際はもっと(↑で夫に説明したように) 詳しく話をされたそうだ。
尿のことだが、私が「おしっこを思い切りしたい」と言ったら、 看護師が
「わかるわかる。私も尿に管の経験があるからよくわかるよ」
と言って、慰めてくれたそうである。
折角の優しい言葉も残念ながら憶えがない。
それにしても、覚醒後、「顔を動かしてください」と言われ、顔を動かした意識のない私は どう理解すればいいのだろう。
意識があったんだろうか?
いや、でも私の意識が戻ったのは病室で看護師に声をかけられてからだ。
このことばかりは、入院中に看護師に聞けばよかったと後悔せざるを得ない疑問である。


「入院3日目」につづく・・・・こちらから